【早期審査に関する事情説明】
1.出願人等の使用状況説明
(1)商標の使用者
(2)商標の使用に係る商品名(役務名)
(3)商標の使用時期
(4)商標の使用場所
(5)商標の使用の事実を示す書類
2.緊急性を要する状況の説明
≪1.出願人等の使用状況説明≫
「早期審査に関する事情説明書」の「出願人等の使用状況説明」の欄は、次の要領で記録します。なお、使用状況の説明は、指定商品(指定役務)のいずれかについて行えば足ります。
①商標の使用者
出願人本人又は出願人からその商標について使用許諾を受けた者(ライセンシー)を記録します。ライセンシーの場合には、その者の住所(居所)、氏名(名称)を記録します。
②商標の使用に係る商品名(役務名)
商標の使用に係る商品(役務)の名称を具体的に記録します。
③商標の使用時期
商標をいつから指定商品(指定役務)について使用しているのかを記録します。例えば、「平成○年○月○日から使用中」のように記録します。
④商標の使用場所
商標の使用者の営業所、事務所その他その商標の使用がされた場所のいずれか一の所在地を具体的に記録します。
⑤商標の使用の事実を示す書類
商標を指定商品(指定役務)について使用していることを示す客観的な書類(資料)を提出します。
具体的な書類としては、指定商品について使用をする商標の場合には、例えば、商標が付された商品を撮影した写真、商標が付された商品が掲載されたパンフレット又はカタログ、商標が付された商品が掲載された広告等です。
また、指定役務について使用をする商標の場合には、例えば、商標が付された「役務の提供に当たりその提供を受ける者の利用に供するもの」又は「役務の提供に当たりその提供を受ける者の当該役務の提供に係る物」を撮影した写真、商標が掲載された役務に関するパンフレット又はカタログ、商標が掲載された役務に関する広告等です。
⑥商標の使用の準備
指定商品(指定役務)に商標を使用することの準備を相当程度進めていることを具体的に記録します。例えば、使用開始時期(少なくとも、早期審査の申出から3月以内の使用であること)、予定している使用商品(役務)、使用場所等を記録するとともに、商標の使用の準備が相当程度進んでいることを示すものとして、例えば、次のような書類を提出します。
≪2.緊急性を要する状況の説明≫
「緊急性を要する状況」の欄には、例えば、次のような各事項との関係において、緊急な権利化が求められている状況を詳細に説明します。
①第三者が許諾なく、出願商標又は出願商標に類似する商標を出願人若しくはライセンシーの使用若しくは使用の準備に係る指定商品若しくは指定役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用しているか又は使用の準備を相当程度進めていることが明らかな場合
この場合には、第三者の住所(居所)、氏名(名称)、使用に係る商品(役務)、使用場所等を記録するとともに、その使用の事実を示す書類を提出します。具体的な使用状況の説明及び使用の事実を示す書類の提出については、上記「出願人等の使用状況説明」の②から⑤に準じます。
なお、第三者による「具体的な使用の準備」とは、例えば、譲渡又は引き渡しの目的をもって指定商品又は指定商品に類似する商品に、出願に係る商標又はこれに類似する商標を付したものを所持する行為等、商標法第37条第2号から第8号に掲げる行為に相当するものをいいます。
②出願商標の使用について、第三者から警告を受けている場合
警告を発した者の住所(居所)、氏名(名称)、警告の根拠となる商標登録番号、商標、指定商品(指定役務)等を明らかにし、また、不正競争防止法等の他の法律を根拠とする場合には、その法律を明らかにするとともに、可能な場合には警告書(写し)を提出します。
③出願商標について、第三者から使用許諾を求められている場合
使用許諾を求めている者の住所(居所)、氏名(名称)、使用許諾を求めらている指定商品(指定役務)、期間等を明らかにするとともに、使用許諾を求めていることを示す書面(写し)等を提出します。
④出願商標について、出願人が日本国特許庁以外の特許庁又は政府機関へも出願している場合
外国特許庁名又は政府間機関名、出願日、出願番号(正式な出願番号を知ることができないときは省略できます。ただし、その後、正式な出願番号を知ることができた場合は、遅滞なくその番号を記録した「早期審査に関する事情説明補充書」を提出しなければなりません。)を明らかにするとともに、その出願の写しを提出します。
⑤その他、権利化について緊急性があると認められる場合
権利化について緊急性があることについての具体的な事情を説明し、必要な資料を提出します。